TraveLWithDog vol01
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愛犬は30歳まで生きられる?中村貴徳(以下、中村) 約60もの動物病院を束ね、30年以上も最前線で動物医療に携われている本間先生に、ずばりお聞きしたいのですが、愛犬は30歳まで生きられますか?本間克巳(以下、本間) 結論から言えば、生きられるでしょう。でも、さまざまな条件があり、その一つが「未病」であるということ。そのためには、「検診」が欠かせません。年に2回、1万5、000円ほどのしっかりとした検診を受けさせれば、30歳に近づくことができるでしょう。中村 人間と同じですね。でも現実は、ほとんどの人が、調子が悪いと感じてから病院へ行くから、病気が進行していて大変な思いをすることになる。犬は、不調を言葉で伝えられないから、病院に行生きています。もちろん、獣医にかからずにです。中村 それは、何でですか?本間 3万年という時をかけて、遺伝子に秘められた可能性が、環境に適応させていったからでしょう。でも、私たちが一緒に暮らしている犬は、犬種として誕生してから数百年程度。私たち獣医や飼い主ができることなんて、遺伝子の可能性からしたら、ほんの少ししかありません。検診やフードの改善などに、愛犬のために本気に取り組んでいくことに、やりすぎなんてないでしょう。獣医としては、フードの指導なども含め、〝飼い主が心配する必要がない状況をつくる〞ことが、本来の仕事だと考えています。中村 先生のお話を聞いていて、〝愛犬が30歳まで生きる〞ではなく、正確には、〝愛犬を30歳まで生かす〞。僕ら飼い主の気持ちと行動次第なんですね。でも、気持ちはあっても、行動までもっていけくタイミングは、飼い主が「おかしいな」と感じたとき。そう考えると、人間よりも、検診が重要のように感じます。本間 さまざまな病気や症状があるので、獣医も簡単には診断できません。下痢で病院にこられたとしても、内分泌的にアンバランスをおこしている子や酵素がおかしくなっている子がいるし、CTを撮ってみたら心臓肥大を発見するなど、あれもこれもと病状が見つかる。でも、経済的に一度に治療するのは難しく、「とりあえず下痢だけ治してください」ということに…。これでは、愛犬を長生きさせることは難しい。中村 そこで、ペット保険や検診が重要になってくるのですね。本間 その通りです。犬の寿命ということを考えると、普通の大型犬は一生懸命飼っても10年前後の寿命ですが、オーストラリアに生息する野生犬のディンゴは、厳しい環境下で20年とか、25年とかProfileTakanori NAKAMURA中村 貴徳“愛犬が30歳まで生きる”ではなく、 “愛犬を30歳まで生かす”TWD Interview .01小動物臨床専門で開業し、今年31年目を迎えた。現在、磐田本院をはじめ約60病院を直営にて展開するとともに、意欲ある獣医師と共に、病院過疎地区への新規開院の展開などにも積極的に取り組んでいる。本間 克巳 氏 本間獣医科医院 院長「(愛犬の)大将を長生きさせて」。母親の遺言から、大将を連れた日本一周を開始。2009年達成。ペット専門旅行会社TRAVEL WITH DOGと、オリジナルペットカート「マザーカート」の販売を手掛けている。中村 貴徳 氏 フェリーチェ代表取締役社長10Autumn 2015
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