TraveLWithDog vol03
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1/航空機でのペット輸送の現状と未来について、全日本空輸(ANA)の商品戦略部・岡功士氏(左)、今田麻衣子氏(中央)と、ペット専門旅行会社トラベルウィズドッグの中村貴徳氏(右)の対談が行われた。15Spring 2016中村:荷物と混在して乗せられているということもないですよね?岡:他の手荷物と区別して、ケージは積み上げないようにしています。また、荷物がケージに当たらないようにしています。中村:世界には客室に乗せられる航空会社が多数あります。日本はなぜないのでしょうか?岡:過去、国際線のみ客室に乗せられたのですが、お客様の声でやめた経緯があります。今田:2005年のことです。特に、アレルギーをお持ちのお客様から機内の環境についてお声をいただいておりました。岡:社内も愛犬家がたくさんおり、ペット連れとほかのお客様が共生できる仕組みがつくれないかと議論しています。中村:例えば、特定の便のみ、後席部分をペット同伴にし、子ども料金を取るというかたちにするなど、そういう取り組みもはじまると素敵だなと、私は勝手に思っているのですが(笑)今田:その議論の中でも話題にあがるのですが、欧米のようにペットの教育がしっかりとなされていることを示す中村:3月に北海道新幹線が開業したことで、犬と一緒に北海道に行きたいという問合わせを多くいただいています。一緒に遠出できる手段を求めているのだと感じております。遠出の手段として、空輸の現状を教えてください。岡:弊社では、貨物室でお預かりという形で行っております。より多くの人に利用していただきたいと考えていますが、利用数はほぼ横ばいです。中村:「航空機に犬を乗せると気圧で弱ってしまう」という噂があり、そういう噂が利用を遠ざけているようです。弊社のお店に訪れたお客さんの中にも、そう思われている人が驚くほどたくさんいて、「競馬の馬が凱旋門賞に出場するために航空機で輸送されるけど、死んだなんて話きいたことないでしょ?」と話して、はじめて誤解が解けます。岡:はい、お客様の大切なペットを安心してお預かりできるように努めています。お預かりする場所は貨物室になりますが、空調機にて温度や湿度の管理をしています。その他の大きな違いは、明るくしているか、暗くしているかがあります。証明書があるといいのですが…。中村:飼主さんの教育の問題は確かに大きいです。弊社のサービスを利用して、月に3〜5組ほど、愛犬とハワイに飛び立っているのですが、訪れる10組中7組が、教育が不十分。そこで「人に迷惑をかけてもハワイ行きたい? 行かないほうがいいと思うよ」と飼主さんに強く提案しています。同乗した人が気持ちよく過ごせるように、愛犬を教育するのは飼主の義務ですから。岡:そういう面も含め、課題が山積みです。でも、私も犬を飼っていて、一緒に遠出したいと思っています。いい形で実現できるよう、さらに議論を重ねていきます。中村:愛犬家の夢である「世界中のどこにでも愛犬と共に旅ができる次代」そんな時代が来ることを切に願っております。12・3/夏季期間(6月1日~9月30日)にペットケージに保冷剤、給水器を取り付けるサービスを行っている。23ANA ペットをお連れのお客様ペットとの旅行をサポートするため、家族の一員である大切なペットを心を込めてお預かりするサービス。予約・旅行の前にサービスの流れや注意事項を確認しておこう。[ ANAペットウェブサイト ]http://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets
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