TraveLWithDog vol09
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12Autumn 2017中村貴徳(以下、中村) 愛犬とのおでかけに車を利用された経験のある方は約90%にのぼるそうです。その中で、ペットOKの宿泊施設に行ってみたいと思われている方も70%ほどいます。しかし、愛犬と一緒のご旅行をためらわれている方もいて、いちばん多い理由は乗り物酔いなどの体調不良でした。車での旅行では、乗り物酔いするワンちゃんが結構多いんですよね。そこで今回は、その乗り物酔いについてお話をうかがいたいと思います。東山哲先生(以下、東山) ワンちゃんが乗り物酔いしていることを、どのタイミングで判断するか?これについては、飼い主さんによって差がありますが、吐いた時点と判断しがちのようです。人間だと口数が少なくなったり、外の空気を吸いたくなったりと、嘔吐する前から車酔いの兆候が出ますよね。ワンちゃんの場合も同様で、気持ちが悪くなってキョロキョロと辺りを見渡す、落ち着きがなくなる、よだれを垂らす、あくびをするなどの症状が見られる時は、すでに乗り物酔いをしている証拠です。中村 そういえば、あくびをするワンちゃんってよく見かけますね。村瀬正典さん(以下、村瀬) 弊社でのアンケートでも、乗り物酔いの症状で、「しきりにあくびをする」(35・4%)は3位に入っています。ちなみに1位は「嘔吐する」(79・0%)で、2位は「よだれを垂らす」(39・2%)でした。実は、ワンちゃんのの薬は作用時間が非常に長いので、時間の余裕をもって飲ませた方が良いでしょう。実際に使用されている飼い主の方にお話を伺ったところ、朝から夜帰宅するまで、1錠でじゅうぶんとのことでした。東山 11時間と効果の長い薬です。すぐには作用しないので、車に乗る直前に飲ませるのではなく、1時間ほど前に飲ませると良いですね。中村 11時間でしたら長めの移動でも安心ですね。薬のお値段は、おいくらぐらいですか?東山 ワンちゃんの体重によって変わってきますが、1錠1000円から2000円になります。中村 少々高いと感じる方もいらしゃるかもしれませんね。でも、ワンちゃんと一緒に楽しめれば、良い思い出にもなりますし、旅行全体の費用から考えればそんなに負担ではありませんよね。ところで、処方は生後何ヶ月からできますか?東山 生後4ヶ月未満のワンちゃんには使用できませんが、高齢犬には処方できます。中村 副作用の心配などはありますか?東山 私が処方したワンちゃんの飼い主さんからは、副作用の報告は一例もありません。みなさん喜んでくださり、次回もぜひ使用したいとおっしゃっています。リピーターの方々も結構多いんですよ。獣医師としても安心して処方できる薬ですね。具合の悪いワン乗り物酔いも、人間と同じしくみで起こるんですよ。つまり、車の加速や回転によって、耳の奥にある平衡感覚やバランスを整える前庭や三半規管に刺激が加えられ、それが続くことで様々な症状が出てくるのです。中村 その段階まで行くと、人間だとすでに気持ちが悪くて、今にも吐いてしまいそうな状態ですね。そのまま吐いてしまうと体力の消耗も激しくなりますが、ワンちゃんの場合はどうなんでしょう?東山 吐く時には、水分だけではなく、体の中で吸収されるはずの栄養分や電解質なども一緒に排出されます。そうすると、体力的に弱っている場合は体への負担が大きくなります。車を止めて少し休むなどして、嘔吐させないように対応すると良いですね。ふだんから投薬しているワンちゃんは、薬も一緒に吐いてしまい、その効果がなくなってしまうこともありますから、気をつけてあげましょう。中村 ワンちゃんと楽しくドライブをするためには、ドライブ前の対応が重要だということですね。村瀬 車に乗る前に、不安そうだったり落ち着きがなかったりといったことがないか、見てあげてください。車内でいつもよりよだれが多い時にはさらに注意が必要ですね。東山 事前の対処法としては、動物病院へご相談の上、酔い止め薬を処方してもらうことをお薦めします。ワンちゃん用ワンちゃんと一緒に車で旅行をする機会が多くなりつつある一方で、愛犬家にとって不安や悩みも増えてきています。今回は、その一つ、乗り物酔いの解決方法を、ひがしやま動物病院院長で獣医師の東山哲先生とゾエティスマーケティング担当・村瀬正典さんに、トラベル・ウィズ・ドッグ(TWD)中村貴徳がお話をうかがった。TWD Special Interviewphoto & text_Kogen Ozaki中村 貴徳 氏トラベル・ウィズ・ドッグ代表取締役社長Takanori Nakamuraこれで安心!愛犬の乗り物酔い対策
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