TraveLWithDog vol09
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13Autumn 2017けれど、大丈夫ですか?」というご相談が多いですね。また、「どういうことに注意すればいいですか」というご相談も多いです。村瀬 弊社でアンケート調査させていただいた時に、3頭に1頭が車酔いをするという結果が出ました。ところが、その中で獣医師の先生に相談される方は18%と、意外に少ない結果になっています。ワンちゃんの乗り物酔いが気になってはいるものの、酔い止めの相談をしようという意識はあまりないようなんですね。薬の存在自体があまり知られていないからでしょうか。ワンちゃんが安心して旅行を楽しめるように、もっと酔い止め薬の存在を皆さんに知っていただけるようにしたいと考えています。中村 最近は、様々な趣向を凝らした愛犬同伴可の宿泊施設も増えて来ています。そうした旅行先での楽しい思い出がたくさんできるよう、ワンちゃんの快適な旅をこれからもサポートしていきたいと思います。愛犬を連れて旅行に出かけることが当たり前の時代。そんな時代が早くやって来るといいですね。ちゃんの吐き気止め用としても使用できるんですよ。村瀬 もともとは抗ガン剤の投与などで吐いてしまうワンちゃんの吐き気止め用の薬なんです。ですから、吐き気はなくなりますが、食欲は落ちませんので体力は温存されます。鎮静作用もないので眠くなることもありませんから、ドライブも一緒に楽しめます。いろいろな意味で安心してお使いいただける薬だと思います。中村 酔い止めの薬を飲ませたあとに何か気を付けることはありますか?東山 酔い止めの薬を飲ませたからといって、吐きやすい状況が全くなくなるということではありません。ですから車の中で興奮させ過ぎないように、乗せる場所や乗せ方を工夫してください。助手席よりは後部座席のほうがお薦めですし、窓は閉めた方が刺激が少ないでしょう。小型犬の場合は、ちょっとかわいそうですが、ケースに入れたままのほうが揺れが少なく、酔いにくいと思います。揺れの少ない車種を選ぶのもポイントです。また朝食など、車に乗る前の食事はワンちゃんが食べ過ぎないように注意してあげてください。中村 車で一緒に旅行に出かけたワンちゃんが酔ってしまったというご相談は増えていますか?東山 直接、車酔いのご相談というのではなく、高齢犬や病気を持っているワンちゃんを「旅行に連れて行きたい村瀬 正典 氏ゾエティス・ジャパン マーケティング・マネージャーMasanori Murase山口大学農学部獣医学科卒。兵庫県、東京都内の動物病院での勤務医を経て、2006年に東京都杉並区にひがしやま動物病院を開設。国際猫医学会(ISFM)会員。日本でキャット・フレンドリー・クリニックを普及させる活動を積極的に行っている。2014年6月には日本猫医学会(JSFM)を設立、その中心メンバーでもある。ひがしやま動物病院(東京都杉並区)では、犬と猫の診察室と待合室を分ける、猫だけの診察時間(キャットアワー)を設けるなど、猫にやさしい獣医療のためのさまざまな配慮をしている。東山 哲 氏ひがしやま動物病院 院長Satoshi Higashiyama「(愛犬の)大将を長生きさせて」。母親の遺言から、2009年、大将18歳8ヵ月の時に日本一周を達成。ペット専門旅行会社トラベル・ウィズ・ドッグと、オリジナルペットカート「マザーカート」の販売を手掛ける一方、2014年にはハワイに米国法人「ホノルルドッグコンシェルジュ」を立ち上げ、愛犬と行くハワイ旅行のサポートを開始している。中村 貴徳 氏トラベル・ウィズ・ドッグ代表取締役社長Takanori NakamuraTWD Special Interview村瀬 正典 氏ゾエティス・ジャパン株式会社マーケティング・マネージャーMasanori Murase東山 哲 氏ひがしやま動物病院 院長Satoshi Higashiyama60年に及ぶ経験を基盤として、弊社は高品質の医薬品とワクチンを提供しています。動物を飼育しケアする人々が現実に抱えている課題に対する理解を深め、その人々が正に必要としている方法でそれらに対応するべく、日々取り組みを行っています。
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